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要旨
  前半はブラジル日本人移住100周年に見る日系人のイメージから、二人の日系人女性:ミス100周年とサブリーナ・サトウに注目する。この二人はともに日系人三世であると同時に、複数の非日系血統を受け継ぐメスチッサである。この二人がいわば日系人の代表として受け入れられている現実は、20年前さらには50年前の状況とは大いに異なる。こうした状況は、外務省関係資料に見る日系人定義の変容からも窺える。大まかな流れは、日本国籍をもたない海外邦人としての日系人から、日系人のボーダレス化、そして混血を日系人と見るかという問題へと繋がっていく。今日、日系人は推定により概数で把握されているが、その数も不確かである。
  
後半は「日系[人]」という用語に充てられた英語・ポルトガル語の意味から日系概念を探る。アメリカやブラジルの場合、移住先各地域の歴史・社会事情により異なる意味が日系という語に込められている。日本[人]の、日米・日伯の、日本人を先祖とする、nikkeiのなどである。その歴史的変化を探ると、「日系人=移住者とその子孫」という今日の概念が受容されるまでには長い道のりがあったことが理解される。そして、日系人自身によるnikkeiの定義が登場した。血統による定義との決別であり、開かれた自己定義・非排他的な概念である。日系はまた、移民(移住者)・邦人との関わりの中で生まれている。このように見てくると、日系[人]は国籍・血統・帰属意識によって識別されてきていることが明らかになる。大事な点は、今日日系人は多様化そして輻湊化していることである。


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